2019年の勉強会終了

[前ブログの2019年12月18日の記事]

 

以下の書籍や論文を読んだり、参加者の研究経歴についてざっくばらんに話をした。

 

第1回:稲葉振一郎『社会学入門・中級編』有斐閣

第2回:Mario Luis Small "‘How many cases do I need? ’ On science and the logic of case selection in field-based research”

第3回:ハワード・S・ベッカー『社会学の技法』恒星社厚生閣

第4回:木下衆『家族はなぜ介護してしまうのか』世界思想社

第5回:山田哲也「不登校の親の会が有する〈教育〉の特質と機能」『教育社会学研究』第71集

    :山田哲也「PISA型学力は日本の学校教育にいかなるインパクトを与えたのか」『教育社会学研究』第98集

    :松田洋介「職業教育という〈教育〉言説」『〈教育と社会〉研究』第18号(PDF)

    :高橋均「差異化・配分装置としての育児雑誌」『教育社会学研究』第74集

   *B・バーンスティン祭り

第6回:小熊英二『日本社会のしくみ』講談社現代新書

第7回:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』月曜社

第8回:ユーリア・エンゲストローム『拡張による学習』新曜社 

   *諸事情により中止

第9回:中西新太郎『若者は社会を変えられるか?』かもがわ出版

    :富永京子『みんなの「わがまま」入門』左右社

第10回:ピエール・ブルデュー&ロイック・J・D・ヴァカン『リフレクシヴ・ソシオロジーへの招待』藤原書店

第11回:参加者が研究キャリアと今後やりたいことについてざっくばらんに話す会

 

基本的な勉強会の進め方は、課題書籍について私と他の二人の参加者がハンドアウトを準備し、それをたたき台にして議論するというもの。本の選択は、主に私がその時に読みたいと思ったものだが、事前にいくつか候補を出して、参加者の反応を見て、決めることもある。

 

こうして見ると「結構読んできたな」と思う。参加者の研究領域は(社会科学という点での共通点はあるものの)異なっていて、それが生産的な議論に繋がったと感じている。異分野の研究者が集まるからといって領域越境的かつ生産的な議論になるとはかぎらないように思うが、少なくてもこの勉強会についてはよい方向に作用している。

 

また、強く感じているのは、研究の意欲を持続するには(少なくても私には)「仲間」が必要ということだ。私にとっては科研等の共同研究、そしてこの勉強会のような場があるからこそ、なんとか研究者(未熟な研究者だが)であることが出来ている。

 

ということで、来年も継続していく予定。可能であれば、書籍や論文著者に参加いただくという企画もやってみたい。